朝、バレエの送り迎えを夫に頼み保育園の懇談会にでる。Zoomだと聞く、話す、聞く、の境界が明確。事前に配られた紙に書かれたことをあらためて先生が説明する。各家庭の情報が少しずつ聞けて、あぁ、わかるなぁ、と思うけどミュートなのでわかるって顔だけしておく。対面でやっていた頃の曖昧な囁きあい、意味のないおしゃべりがすこし懐かしい。
懇談会が終わって、草木に水をやり、掃除をしていたら夫から電話。街中まで出てお昼を一緒に食べることに。
バスの中で『暇と退屈の倫理学(新潮文庫)』を読みきってしまう。
商業ビルのご飯屋さんが立ち並ぶフロアを見て、むすめは迷わず「やきにく!」と叫ぶので昼焼肉。人生で一番位置エネルギーが高い焼肉屋だった。ランチについていたサーロインは脂が多く、夫はゲンナリしていた。
結局夫のサーロインと、ごはんと、むすめの残した肉、野菜、米をまるっとわたしが食べる。
焼肉のたび「あっこれ永遠に食べれるわ」という全能感から食べ過ぎてしまうのを、いくつになったらやめれるんだろう。
それから歩いて改装中の家を見に行く。
大工さんに差し入れを買っていったが、今日は屋根をなんしかする日でずっと屋根の上で集中して作業をしていたので、ちょっとカフェに行く。
カフェが終わって戻ってもまだ作業は続いていた。「下にお茶、置いときまーす」と叫んで差し入れを置いておく。むすめが「そんなとこ、どうやってのぼったのー?」と大工さんたちに聞いていた。
100円ショップに寄って家に帰る。むすめは今日受け取ったバレエの発表会の衣装を着てみせてくれた。「うれしくてうれしくてたまらないのよ」といってクルクルまわる。わたしが子どものときはひらひらした服が嫌いで、スカートを履くきもぶうたれていたことを思い親子といえど他者だな、と思う。
そんなに歩いていないのにべらぼうに疲れていたので夫に抱きつきながら昼寝する。起きたら8時を回っていて絶望。当然、夫は横におらず、むすめに「おかあさんいつまでねてるのよ〜おきなさいよ〜」と呆れられる。
家事をしながら『殺人鬼との対談 ジョン・ウェイン・ゲイシーの場合』を1.5倍速で見る。ジョン・ゲイシーを知らない(!)という夫は「1.5倍速で殺人鬼の情報を詰め込んでいくそのモチベなに……」と怯えていた。内容としては、語り尽くされたことを初公開だという本人の肉声を交えつつ語り直す感じ。中盤の被害者の葬式で関係者が「被害者ではなく殺人鬼に興味があって集まるマスコミ」への嫌悪感を語っていた。その殺人鬼の名前が冠されたタイトルの今作でそれが語られることの皮肉。
湯船に浸かり、フランス語の勉強をしながら、むすめが展開する特製焼肉スープ屋さんのお客をした。