筋トレをしながら、映像の世紀のノルマンディー上陸作戦の回を見る。
史上最大級の作戦。世界の命運を変えた。そういうことばで語られる作戦の映像では、ばんばん人が撃たれて死んで、連合国軍では一万人くらいの死傷者がいるらしい。作戦に巻き込まれてフランスでは民間人三万五千人が死んだ。でも最悪連合国軍だけで五万人くらいの死傷者が出る想定だったので、作戦は成功なのだ。
そうなのかもしれないけど、それを聞いてそぼくに戦争反対！と思う。ふつうにおかしい。
それは過去だけではなく今だってそうで、日々戦争のニュースを見て戦争反対、と思う。しかし、現状、戦争について、ニュースで見る、くらいの距離感のこの国で戦争反対と言っているとどこかトガったことを言わなくてはならなくなる雰囲気をひしひし感じ、戦争反対という言葉に続けてめちゃくちゃちゃんとしたことをいわなきゃな、と思って手が止まってしまう。筋トレをしながらノルマンディ上陸作戦の映像を見ているような人間は、戦争反対ということを真剣に考えてるとは思ってもらえないのだろう、という謎の挫折感がある。
しかし、複雑な世界情勢や国と国の駆け引きとか、そんなことはわからない市井の人間として、なぜ戦争に反対なのか、みたいな論理的な説明をしぼりだすことはできなくて。でも、実感として戦争反対とは絶対的に思っている。それじゃいけないのだろうか。人が人を殺しまくること、それってなんか絶対おかしいですよね？ただそれだけじゃ、だめなんですかね。
