編集後記
この漫画のタイトルは「ギャルの恥」であるが、ギャルになることは決して恥ずかしいことではない。
しかし、新しいことに挑戦するのはいつだって難しくて恥ずかしい。歳を重ねれば尚更である。
友達があるオーディションに出ることになった。きっかけは私が彼女を推薦したこと。
20代後半、若いともてはやされる時代は過ぎつつあり、生活も安定した。
だからこそ、どんなに覚悟を決めても、どれだけ周囲の人が応援してくれても、変化に対する不安と羞恥心に襲われる。
それはとてもしんどいことで、何かを諦めるには、十分すぎる理由を私たちに与える。
羞恥心や不安を乗り越えたって、覚悟は脆く、体は影で嘲笑する人をつい見つけてしまう。
それでも、人生の最後の最後まで、日常から一歩外に出続けることをやめない人にしかわかり得ないことを、わかり続けることはとても面白いことなのではないか、と素朴に思う。
そして、そう思ったから、私はどこか迷っているような彼女を推薦した。
しかしながら、しんどいことを押し付けて、自分は安全圏からただ見守る、というのはあまりに友達の態度として誠実さに欠けるものである。
そう、私にとってギャルになること、そして、漫画を書くことは、彼女に対するある種の贖罪なのである。