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らりをのブログです

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そもそもなんで読書会するん? #イキギャル読書会 vol.0

今日、夫婦別姓制度が認められない今の状況について最高裁判所が「合憲」と判断した、というニュースが流れてきた。

夫婦同姓にする現行の制度において、夫婦どちらの姓でも選ぶことができる。しかし、厚生労働省が2016年に発表した「婚姻に関する統計」によると、婚姻件数のうち96%は夫の姓を選択しているという現状を鑑みるとこれは決して公正な判断とはいえない。それでも、それが慣習だから、というひとことで、法律婚をする96%の女性と4%の男性が結婚前の姓を収奪された。

夫婦別姓、再び認めず 民法規定は「合憲」と最高裁<事実婚3組の家事審判>:東京新聞 TOKYO Web

それなのに、わたしはいつでも正しくいられない。自分本位で図々しく、明らかにおかしなことが起こっていているけれど一瞬怒るだけですぐ忘れて何も変えられない。

夫婦別姓が認められないことにムカつくわたし。結婚のとき、躊躇いもなく夫の姓を選んだわたし。不満を抱えながらも現代の社会制度にするりと包摂されてしまう、わたし。

本当にムカつくなら自分で裁判でも起こせばいいのに、そうなると、いや別にそれほどでもないかな、と逃げ腰になる。

怒りという感情を、夫婦別姓は実現されるべきであれという欲望を、するっと棄却してしまう。

こうしていろんな欲望を取りこぼして、いつも最後に残るのが「ギャルになりてぇ」という願いである。

ギャルに対する憧憬、ギャルになれない焦燥

遅咲きGAL 今年27
遅咲きGANG まだまだこれから
遅咲きGAL めちゃ寿命ある
遅咲きGANG 人生わりと長い

田島ハルコ「遅咲きGAL」

現代思想 2020年3月臨時増刊号 総特集◎フェミニズムの現在』に収録された関根麻里恵の論考「『ギャル(文化)』と『正義』と『エンパワメント』『GALS!』に憧れたすべての『ギャル』へ」では1989年(平成元年)以後に生まれた世代を「ギャルの後追い世代」と呼んでいる。わたしもその1人だ。

小学生の頃からギャル雑誌が好きだった。雑誌に出てくる小学生読者モデルに憧れてエンジェルブルーを買った。エンジェルブルーで身を固めたわたしは、しかしイケていなかった。軽い絶望。

つーちゃんを見て、じゅんぽを見て、くみっきーを見て、いつだって嘆息した。流行を掌握しながらも、自分らしさを忘れないファッションやメイクを発信して、かわいくて、元気で、彼氏もいて、みんなに愛される彼女たち。高校生になると意味もなくマルキューを徘徊して、ギャルくて可愛い店員さんと並んで鏡に映る自分のダサさに落ち込んだ。

わたしはギャルになれないと思った。

それでもわたしはずっとギャルが好きで、高校生の頃にはeggもポップも小悪魔agehaも読んだ。PVの上がらない自分の前略とリアルには早々に見切りをつけ、ギャルサーの子たちの前略やcroozブログを飛び回った。

彼女たちのことを誰よりも知っているのになんで……。そう思う日もあった。知識ばかりで頭でっかちなギャルワナビー。それがわたしの全てだった。

思春期を通して形成されたギャルへの憧憬は20歳になってもくすぶり続け、書店で年下の子達ばかりが登場するポップを立ち読みして、時々こっそり買った。

ギャルに憧れ続けながら、大学院に進学して、結婚して、子どもを産んで、卒業して、働いて、このまま普通のおばさんになるんだろうな、と思いながら20代後半を迎えた。

そんなある日、義母が「田島ハルコって知ってる?」と聞いてきた。わたしは義母の審美眼に全幅の信頼を置いているため、速攻でTwitterで田島ハルコをサーチした。

マジでイケてた。

youtu.be

「遅咲きGAL」を聞いて、田島ハルコ、同い年じゃん、と気づく。そして単純なわたしはこう思った「うちもまだ、ギャル、いけんじゃん」。

その日からギャルになることにした。

頭でっかちなギャルワナビー、ギャルになる

ギャルになるためにわたしはまずギャルを名乗ることにした。それから、髪をブリーチして、派手目な服を買った。

中身は頭でっかちなギャルワナビーのままなので、気がつくとギャルをサボってしまいそうになる。その度にギャル可愛い服を買って、髪をブリーチして自分の気を引き締める。『ヒップホップ・アナムネーシス (ラップ・ミュージックの救済)』で田島ハルコも強いギャルみたいな高次の自己像と家で寝転がっている自分の乖離を埋めるために「オシャレして自己実現!」と言っていて、やっぱこれやんね、と自分を鼓舞した。

しかし、結婚し、子どももいて企業で働いているアラサーには、ギャルである自己を表現できる場はごく限られている。

そうして、自分のくっついてる肩書きや年齢、外見のいけてなさを理由に、すぐにギャルであり続けることを諦めてしまいそうになるわたしにギャルいうちは語りかける。

わたしの知っているギャルたちは厳格な校則を敷く学校の中で、スカートを切り詰め、イーストボーイのカーデを着て、ルーズソックスを履いていたじゃん?

そうだ、ギャルはいつだってギャルでいられる場を拡張してきたのだ。

イキるギャルは会社で読書会をする

一生ギャルを続けるためには!
渋谷署のギャル警官として手柄を立てて一番エラいポジションまでのぼりつめ!!
警視庁をオールオシャレOKな所に大改造する!!!

藤井みほなGALS!! 1

わたしが一生ギャルを続けるために、ギャルである自己を表現できる場を作らなくてはいけない。

頭でっかちなわたしがギャルである自己を表現できる場を作るには何をするべきか?

そう考えた時にたどり着いたのが会社のSlackにチャンネル#galsを立ち上げることである。

無事にチャンネルを立ち上げたわたしは突発的な思いつきから、「gals読書会」を開催することにした。

経緯は以下である。

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そして昨日、無事にgals読書会 vol.0が開催された。

直前に突貫で作った資料を以下に載せる。

[*** galsで読書会をする意味]
[** galってなんや?]
> 自由と個性の象徴だと思っています。時代時代で変わるものなのでこういう格好をしているから「ギャル」って決めるのは難しいですね。
> 「初期は髪は茶色、メイクは抑えめ…」「ポスカで鼻筋書いて、唇は真っ白で…」egg編集長が語る平成ギャル遍歴 | 文春オンライン
galは時代で変わる
`galビジネスマン時代を築きたい`


[** 自由と個性、そして多様性]
> ギャルはこれです! って決められないので、ありのままの姿を見せることを大事にしています。『egg』にはいろんなギャルがいるので、多様性を認め合っていくのが大切
>[「渋谷からギャルが消えました」4年ぶりに復刊したegg編集長が気づいた“ギャルがいた本当の場所”  https://bunshun.jp/articles/-/45962]
galは多様でその姿を規定できない
galは多様性を認め合う
`ゆえにgalビジネスマンも多様性を認め合う`


[** ビジネス]
> ビジネス(英: business)は、経済行為を表す用語であり、狭義から広義まで様々な意味を持っていて、1つの日本語に置き換えて表現することはできない。
>[ビジネス - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/ビジネス]
ビジネスも多様、一つの言葉には置き換えられない
`多様性を考えることはビジネスを考えることにつながる`


[*** gals読書会の目的]
ビジネスにおける`自由と個性`、そして`多様性`を考えることでgalビジネスマンとしてのマインドを養う
`自由と個性`、そして`多様性`を考慮した新たなビジネス創出への一手を担う

「galビジネスマン」を主題に、詭弁と飛躍する論理で構築されたこのガバガバな資料を片手に堂々と読書会に参加した。

一応会社の時間をもらってやるということでこれまたガバガバな読書会フレームワークも作った。

[*** gals読書会でやること]
[** 全体の流れ]
2ヶ月かけて一冊の本をみんなで読む(読書パート)
一冊読み切ったら一回分の時間をかけてまとめる(まとめ・ワークショップパート)


[** 読書パート]
[* 前準備]
[! 本を読む] 特定の期間に決まった書籍の特定のページを読んでおく。パラパラ読みでも部分読みok! 
[! パンチライン] 読んだページの中で心に残ったパンチラインをスクラップボックスに書き残す
[! 自分の経験や課題意識を問う] そのパンチラインをなぜいいと思ったのかを考えて、書ける範囲でスクラップボックスに書いてみる
[! アイディア] できれば、自分が感じた課題意識を解決するようなアイディアを考えてみる


[* 当日]
[! 見返す] 実際に自分が書いたものや他の人が書いたものを見返す[~ 5 min]
[!  コミュニケーションとマッピング] コミュニケーションを取りながら、miroなどを使ってパンチライン、経験、課題意識、アイディアをマッピングしてみる(発散) [~ 30 min]
[! 振り返りとまとめ] マップを見返してみんなの課題やアイディアを繋げてまとめる(収束)  [~ 15 min]


[** まとめ・ワークショップパート]
[* 前準備]
[! 読書パートを読み返す] 読書パートで自分や他の人が書いてきたアイディアを見返す


[* 当日]
[!  振り返る] 読書会の過程でまとめた課題や、それを解消するアイディアを振り返る(発散) [~ 30 min]
[! ワークショップ] 課題を解消するサービスってどんなものだろう? 既存のサービスを見てみたり、新たなサービスのアイディアをまとめる(収束)  [~ 30 min]

ちなみに初回は『WORK DESIGN(ワークデザイン):行動経済学でジェンダー格差を克服する』を読む予定。急拵えではじめた読書会だが、すでに参加メンバーの中で、それぞれの職種、職能においてこの本を読む意味が語られたり、「そもそもデザインって、グラフィカルなものばかりフューチャされがちだけど、実際は行動を読んで導線を設計するものだよね」という指摘があったり、とかなり盛り上がっていて次回が楽しみでならない。

何より、この読書会に参加したいと思ってくれる人がいて、実際に参加してくれたという事実に、わたしはすごく救われた。「gals」という響きに惹かれ、ギャルマインドを継承しようとする人間が他にもいたのだ、という事実だけで、わたしはこれからもギャルでいられる。

頭でっかちで、臆病で、社会に不満を感じてフェミニストを自称しながら、家父長制的な制度にすぐに包摂されちゃう、そうした自分と葛藤しながらギャルとして知識の種を蒔き続けたいと願う、それがわたしで、それがうち。

それを受け入れて共有して、うちら、galビジネスマンになっていこうね!!!

365日24時間フェミニストでパンクなマインド持っていられないし、引き裂かれたまま自己決定するのがギャルの良さ!

【INTERVIEW】『NEWWAVE GYARU』/ 田島ハルコ | indiegrab