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哀れなるもの、金利22% - 『哀れなるものたち』

『哀れなるものたち』の感想を、毎日のようにSNSで目にする中で、昨日ついに「見てへんの、オレだけ……」みたいな気持ちになって、そんな卑屈さで生きる日を1日でも減らしたい、ということで今日見てきた。

エログロらしいというのを、ちらっと目にしていたので、朝から夫と散歩して、ジムに行って、英会話をして、編み物をして、健康的な心身で向かった。

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この映画は、自殺した妊婦に、胎児の脳が植え付けられ、蘇った女性、ベラの視点で描かれた物語。

正直、最初は「なんやこのオシャレ不愉快な映画は……」と思って、斜に構えて見ていたが、なぜか、見終わったら、「なんやこれさいこうやんけ!!!」という気持ちになっていて、しかし、その最高さ・爽快さを個人的には、認知・言語化不能で、午後は、そこにモヤモヤしながら過ごした。

ただ思い返すと、ベラが父親であるゴッドに、自身の生い立ちをしって、そこを軽蔑しながらも、生を楽しんでいるから、と赦しをあたえるところにかなりグッときた気がする。

親の勝手な意向で、そぐわない心身を与えられた子ども。大人になるにつれて、親がセックスしたから、自分が生まれた、ということを知らなくてはならなくなる。

妊婦に胎児の脳を植え付けるなんて、狂ってるし、信じられないくらいキモいけど、普通に親のセックスだって狂ってるし、信じられないくらいキモい。

そういう親の、自分勝手な判断とキモい行動の結実として自分がある、ということを知ってなお、終盤のベラのように、子どもが、強い気持ちで、自分の生を肯定し、謳歌する、親目線だと、こんなに嬉しいことはないのである。

また冒頭でエログロ表現について触れたが、正直、ベラが幼女の頃のゴア表現はただの身体破壊という感じで見ていられなかったが、ベラがベラの生を、二本の足でしっかりと、自覚的に生きるようになってからのゴア表現は、目を逸らす必要を感じなくなっていった。これは、ベラが、幼い痛々しい少女の訳のわからない視点から、大人になった女性の視点を獲得していったことで、そうした表現が、生きる営為の一つとして、納得感のあるものになっていったんだろうな、と思って、映画という限られた時空間のなかで、そうした自分の変化を感じたのも素敵だったのかも。

うーん、まだ上手く言語化できないが、とにかくすごく良かったです。

帰り、駐輪場に行く手前で、「そういえば、駐輪場って現金払いだったな……そして、わたし、お財布持ってきてないな……」と絶望した。しばらく立ち尽くしたあと、「スマホ 現金 引き出す」でググって、LINE pay 経由でお金を引き出せることを知った。手順に従って、220円の手数料を払い、1000円を引き出して、100円の駐輪代を払った。金利22%の哀れなるもの。

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