Kアリーナの中に入る*1。2階だったのであまり期待していなかったが、真ん中、前から六列目で一列前から関係者席、というかなりいい席でニヤニヤしながら縮こまって席に座る。
隣も後ろも、10代〜20代前半で友だちと来ている子たちで、邪魔にならないよう、極力静かに過ごそうと心に決める。両隣の人がペンライトを持っていて、いいなと思う。もっと早く来てグッズ列に並ぶべきだったな、と反省する。
16時を少し過ぎて、開演する。ちゃんみなのオープニング。ちゃんみなは赤いスーツ姿で、フードを深く被っている。「美人」を歌いはじめた時の衝撃でセットリストが全て抜け落ちてしまった。これはCHIKAへの期待なのだろうか。しかし、かっこいい。
MyM(マイムー)とアナウンサーで少しトークがあって、3-5次審査のパフォーマンス披露がはじまる。
大好きな3次審査の「Heaven’s Drive」ではじめて見る生髙畠に感動する。絶対目に焼き付けるぞ、という気持ちで、凝視する。ほんま綺麗。ていうか髪が長い!!これもまた美しい!!NAOKOのヘアメイクもめちゃくちゃいい。
なによりみんな超うまくなっている!!
特に驚いたのがFUMINOで、最初誰かわからないくらい、歌い方、ダンス、表情全てが洗練されていた。
YUJUちゃんが歌もビジュもかなり磨きがかかっていて、超最高だった。
SAYAKAの金髪もすごい良かった。終始楽しそうにするSAYAKAから心身ともに大成長した様子を伺えた。
5次審査のパフォーマンスの後に、参加者20人の一人ひとりのコメントもすごくよかった。応援。
ほんとにほんとに楽しくてあっという間に時間が過ぎる。
気がつくといよいよ審査である。頭が追いつかないまま、DropのBチームがはじまる。
本当に素晴らしい!パーフェクトだ!と思う。ある意味では単調な曲だが、会場はガッツリ盛り上がっていて、みんなの実力の高さを感じた。
Bチームが素晴らしかったが、Aチームもこれまた素晴らしい。
JISOOの声がものすごいアクセントになっている。これはもう、ほんとに全員デビューですよ、という気持ちになる。
そしてついに個人審査がはじまる。最初誰だろう、と胸を押さえながらかまえる。するとちゃんみなの声が流れてくる。
「彼女が歌うと空気が変わるんです。」
その瞬間、思わず「ももかぁ」と叫んで号泣してしまう。
このももかぁは、まどマギのワルプルギスの夜のシーンでほむらがまどかを呼ぶ「まどかぁ」と同じトーンで、人間、感情を強く突き動かされるとこういうトーンになるのかもしれないと思った。
今思い返すと、急に叫び出し号泣する中年女性って怖過ぎるかもしれない。周囲の若者に申し訳なさすぎる。
しかし、そのときはもうそんなことは考えられない。
暗闇から浮かび上がった白いドレスのMOMOKAが美しくて美しくて、自分のことなどどうでも良くなり、完全に咽び泣きMOMOKA Botになってしまう。
MOMOKAのパフォーマンスは素晴らしかった。全てを投げ打っていたし、素人目にもダンスが大成長していた。ハンカチはびしょびしょである。
MOMOKAが墨なのか、黒い染料に身を浸して立ち上がるシーンを見て、ちゃんみなのライブの「美人」のパフォーマンスを思い出す。
そのパフォーマンスでちゃんみなはメイクを落とす。これはちゃんみなに向けられた容姿への批判に対抗するべく纏い続けてきた鎧としてのメイクを取りさらい、ピュアな素顔を見せることである種の解放を表現していたと解釈している。それに従うとMOMOKAのパフォーマンスは、ピュアな白の衣装に黒を上乗せすることで、鎧を纏う、という逆説的なものになる。
これは最後にMOMOKA本人も語っているところだし、日プ時代からずっとそうだったが、MOMOKAは人に優しく自分自身にも優しい(わたしはそんな優しいMOMOKAが大好きだ)。
しかし、優しくできるという余裕はアマチュアリズムに起因し、プロになるために優しさ、気遣いといった余白を残さぬほど自分に向き合い、ストイックになるべし、というのがちゃんみなが最後にMOMOKAに科した課題だったと解釈している。
それはMOMOKA自身の生き方を大きく変えるもので苦しみを伴う。鎧は重たく、厄介だ。
しかし、それでも、鎧を纏いプロフェッショナルになる、いや、なったのだ、というMOMOKAの強い思いを感じた。なにより「PAIN IS BEAUTY」という曲を真っ直ぐ表現するために必要な手続きだったとも思う。
ソロ審査のパフォーマンスは全員素晴らしく、彼女たちらしかった。
NAOKOのパフォーマンスも印象的で、構成として短い中でしっかりとストーリーがあり、しかしそのストーリーを実現するには相応の実力が必要で、彼女はそれをしっかりと持っていた。
後ろの友だち連れの二人がずっと「えぐい」「やばい」「最高」とずっと声を上げていて、その全てに心の中で「わかる」「それな」「ほんま最高」と返していた。
ソロ審査が終わり、審査を待つ時間に、(sic)boy、MyM、倖田來未のパフォーマンスがはじまる。
(sic)boyの「Heaven’s Drive」でvividboooyが出てきてめちゃくちゃテンションが上がった。というか出てくるまでのMVを使ったVJでもvividboooyの映像が主に切り抜かれていて「愛…」ってなった。
度肝を抜かれたのが、倖田來未だった。正直最初にパフォーマンスの一覧を見た時、倖田來未かあ、ふうん、ここでなんか食べ物買いに行こうなあ、なんて失礼なことを思っていた。しかし、いざパフォーマンスがはじまると、パフォーマンスはもちろんトークも振る舞いも全てに目を奪われる。ていうか、わたしが高校のころから体型かわってないってどういうことなの?!
ちゃんみなが言ってたプロってこれか〜〜〜!!を全員に納得する形で全て説明してくれていたと感じた。参加していた人はみんな参加前より倖田來未のこと好きになっていたと思う。
審査が長引いているようでパフォーマンスが終わってもちゃんみなとSKY-HIが出てこない。いや、ほんまわかる、選べないよなあ、という思い半分、しかし、こんだけしっかり審査しているというのは落ちる人がいるということ?!というヒヤヒヤ半分だった。
ようやく二人が現れて、会場のムードも一気に変わる。
結果発表の流れが説明され、マイクがちゃんみなに渡される。
一人一人へのコメントののち、デビューできるメンバーの名前が呼ばれるという。
ちゃんみなのコメントがいちいち的を得ていて感動する。
そして名前が呼ばれる場面に。ここも変な引き伸ばしもなくてすごく誠実と感じた。
何人がデビューできるかもわからないまま呼ばれる名前に耳を澄ませる。「MOMOKAと言ってくれ!」と祈る。
MOMOKAの名前が呼ばれた瞬間、また「ももかぁ…!」を発動して、そこから記憶がほぼないが、急に名前が呼び終わって、デビューできなかったメンバーがいることがわかったときの衝撃はものすごかった。全員、デビュー水準には達していた。その上でグループとしてを考えての判断をするしかなかったのかな、と思った。
幕が閉まる演出にはびっくりしたが、デビューできなかったメンバーに不必要に話を聞こうとしないという姿勢と考えると誠実だと思った。
フィナーレは「good」→「SAD SONG」→「NG」で、NoNoGirls全員が次々出てきて爆泣きする。
ほんとにみんなに幸せになってほしい。
なによりも、MOMOKA、デビューおめでとう!!!
*1:オーディションの結果が2025/01/12の14時までシェアNGだったので切り分けて書いてます