働きアリの中にはよく働くアリが2割、普通に動いているものが6割、働かないアリが2割いる、という「働きアリ法則」を比喩に使ったビジネス系の啓発コンテンツをずっと胡散臭いと思ってきたが、何かの拍子に、2割の働かないアリが、実は固定ではなく、入れ替わり立ち替わり働かないアリになっている、というのを見たときはなるほどー、と思ったのである。
人生において労働する時間は長い。その中で、育児とか介護とかライフプランもこなさねばならない。病気になることもある。日常の忙しなさに気を取られたり、特に理由もないけれど気分が上がらないこともある。配属とか人間関係がうまくいかなくて思ったように動けないことだってあるかも。
とにかく、それらの奇跡なバランスの上に、働ける、と言う状態は成り立っていて、それは容易に崩れたりする。一人一人の労働人生を眺めて平均をとってみても、めっちゃ働ける時は2割くらい、半分以上は普通で、なんか全然働かないときが2割くらいになるのではないだろうか。
しかし、働きアリの法則に準えると、自分が働けないアリの時は他の8割の人が働きアリになってくれているわけである。こうしたローテーションがあるから、アリも人間も組織で働くスタイルに収斂したんだろうな、と思うと、もう働けないアリ、なんか頑張れないアリの時は、みなさん働きアリにおまかせ、くらいの気持ちでやっていくしかない。逆にいや、めっちゃ働けてるし、というときも驕らず、比べず、貴重なよく働けるアリでいれる短い期間を粛々とやることやっていくしかないのである。
