カーテンの隙間からの朝日で目覚める。
洗濯しながら夫に電話してたらモチも起き始める。
ホテルのビュッフェで朝ごはんを食べる。モチにお昼ごはんがいらないくらい本気で食べることを厳命する。
たっぷり食べて即プール。モチは一度入るとなかなか出てこない。屋上のプールは浮き輪なども禁止で、ほぼ身一つ、たった1人で水と戦い続けている。そのモチベーションは何処から。
この時点で疲労困憊だったが、わざわざ高いお金を払ってここまできているのだから、と奮起してタルシーン神殿に向かう。
マルタの歴史は長く、紀元前5900年頃から人が入植し、小さい土地の中で、試行錯誤して、何度か撤退しつつ、たびたび文明が築かれてきたそう。タルシーン神殿は紀元前3000年前の建造物と言われている。
前情報の物々しさに反し、現地につくと遺跡とは思えない、シンプルな入り口とこじんまりした神殿だった。

石に刻まれた創意工夫に、なんか人間を感じた。
帰りはバスの乗り換えついでに、バレッタに寄る。ここで事件が起きた。
バレッタ終点のバスを降りると財布として使ってるジップロックとパスポートを入れたポーチがない!
忘れた!と反射的に思い、去り行くバスを追いかける。何とか追いついて決死の覚悟でバスの窓を叩く。やっててよかった、ランニング。
思ったとおり、バスの座席にポーチがある。
しかし、誰もいないバスはそのままわたしを乗せて進む。運転手に聞くと、すぐ目の前のバスの停車場に持ってくという。
この時、外でバスを眺めていたモチは、わたしを乗せてバスが進むのを見て、迷子だ、終わった……と思ったらしい。実際はスマホもあるし、紛失物用のタグをカバンに入れているのでなんとかなるのだが。
結局バスは20mくらい進んだ先でわたしを降ろしてくれたのだが、この時のわたしとモチの絶望はそれぞれやばく、再会したときには抱き合ってお互いを称えた。
興奮状態のまま、互いを労うためにジェラートを食べる。念のため、近辺でGoogleの口コミ評価が一番高いところにしたが、これがべらぼうにおいしかった。

ほんとによかったー!!
そのまま聖ヨハネ大聖堂にいく。壁一面に装飾が細かくなされていて、これは集合体恐怖症の人はこわいのでは……とか考えながら見る。

装飾の中にところどころ骸骨が混ざっていて、死の気配がそこかしこに散りばめられている。

到着した当初に感じたヘブンリーで陽キャなイメージとは裏腹な歴史と死生観を感じる。こんな国でホラー映画は生まれないとか言ってすみません。

念願のカラバッジョも見れた。でかいし、遠い。絵画と一緒にカラバッジョの人生についてのドラマが上映されており、これがなかなか手が込んでいる。
人殺しのカラバッジョが唯一残したサインが、ヨハネの血で描かれている、という逸話がドラマチックすぎる。

ヨハネ大聖堂から出て、そのままバスに乗って帰る。
家に帰るとくたくたで、しかし、モチは元気いっぱい。再びプールに飛び込んでいく。結局また1時間半泳いでいた。
そこからスパーというスーパーに行ってご飯を買って『君たちはどう生きるか』を見ながらたべた。
しばらくするとよーこちゃんが遊びに来たが、あまりに疲れてすぐ眠った。