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ウエル活 /グレゴリー・ケズナジャットは最高

「毎月20日はTポイントが1.5倍デー!」ということで関電で貯めたTポイントを携え保育園のお迎え帰りにウエルシアに向かう。ウエルシアは家と反対方向にあり、しばらく通っていないウエルシアへ向かう道は昨年まで住んでいて、むすめが生まれ育った家へ向かう道でもあり、むすめと「懐かしいね」「なつかしいね」と言い合う。

夫に電話してたりてないストックを確認。必要なものをたっぷり買って、Tポイントを差し引くと335円!お安い!

ウエルシアから今住む家へ帰る道は一人暮らしの家から当時彼氏だった夫の住むアパートへ向かう道で、これまた懐かしさに胸が締め付けられる。

あぁ!わたしがグレゴリー・ケズナジャットだったなら、この情景をなんと書くのだろう!と思うくらいには最近グレゴリー・ケズナジャットに頭を支配されており、一人の人間の頭の隅につねにいすわるくらい、グレゴリー・ケズナジャットの書く散文は美しい。

京都という街をとおして、言語の修得に伴い異化していく情景を描いた『鴨川ランナー』、葛という植物をとおし、共に母国を離れ言語も違う異国で暮らす選択をしたイラン出身の父親と日本へ留学した自分とのささやかな生活、家族の記憶を描いた『開墾地』。

どちらもなんてことはない日々を描いた作品なのに、そこかしこに生活というものの美しさが散りばめられ、文化とは、言語とは、不意に降りてきたあの感動とは、なんなのだろうという問いを突きつけられる。

他の人にはなんことないあの道の、あの感じを、沁み入って感じ入れるのはわたしだけだと思って目を凝らしてしまう。この景色を、この気持ちを、なんとか焼き付けたい。

そう思っていたら、あっという間に通り過ぎてしまって、気づいたら家。

ウエルシア帰りに思いがけずグリゴリー・ケズナジャットがエピファニった今日であった。

鴨川ランナー

開墾地