ごめんなさい。この続きは忘れてしまいました。
カルメン・マリア・マチャド(小澤身和子 訳)「夫の縫い目」
最近購入した家の頭金の支払いもおわり、来年はなんとかなりそうだね、とジュニアNISAの口座を開設する。
地方に住み、IT企業で共働きする夫婦と子ども1人の核家族。週末は購入した中古住宅のリノベーションに向けて展示会や設計事務所を駆け回る。
高級品は買えないけれど、おおかたの生活には満足している。特別ではないけれど、家族や会社、近しい人とそれなりに続くだろう関係は居心地がいい。
幸せ?と聞かれたらとてもじゃないけどいいえと言えない。
それでも、わたしはカルメン・マリア・マチャドの短編集『彼女の体とその他の断片』をひとつひとつ読んでは夜な夜な泣いているわけで、わたしは、たぶん永遠にそのことを無視できない。