ブログを書くのはむずかしい。
職業ウェブライターたるわたしはなんとなく、何かを書くときにウェブ記事を書く思考になっていることに気づく。
エディタの前に降り立つと、自然とこの記事はどういうユーザー層に、だとか、どういう読後感で、だとか、が頭をよぎり、書くことにまつわる目的を探してしまう。
そして、生来の生真面目さから「なにか」を書かねば、と思いあぐね、生来のものぐさからまぁいいか、と見切りをつける。その繰り返し。
そのひとつひとつは何気ないことだけど、その選択の堆積が、後ろめたさになり、劣等感になり、わたしはわたしに「自分から書きたいことなどない奴」という烙印を押して、その自分を強固にしていく。
なんか1000字くらいまでしか書けないな。ダメだ。
思考が垂れ流しで脈絡がない。ダメだ。
結局何が言いたいのか結論がなくない?ダメだ。
気がつくと忌避していた生産性を自分の文章に求めてしまう。
それだけでなく、わたしはわたしに不相応なかっこつけまで要求する。
似たような話題を取り上げている誰々さんの記事と並べるとなんか見劣りする。ダメだ。
思考にオリジナリティがない。ダメだ。
全体的に野暮ったい。ダメだ。
ぐうたらで不真面目でミーハーな自分をイケてる引用やオリジナリティでトッピングして誤魔化そうとする。格好をつける。
あ、今もわたしはここまで書かれた文字の量を気にしている。あぁ、たったの59あ、604文字。
自分にとってクリティカルな事象にすら、これだけしか語れないわたしが何かを書いたって意味がない、急落する情緒。
何も考えていないのに何かを考えているふりをするな。貧弱な発想を権威で欺こうとするのはやめろ。
たかだか717文字。これがわたしでわたしはこれでしかない。
受け入れること。諦めること。格好をつけないこと。わたしにはこれだけしか残されていない。
素寒貧の自分らしさにしがみつくな!誰かのためになるなんてゆめゆめ思うなよ。